SSブログ

決断 [好きなもの]

無形の力―私の履歴書 (私の履歴書)

P263
「判断基準を間違うと、正しい判断は下せない。
決断はある種のギャンブル的要素を含んでいる。」




判断は難しい。なぜならば、絶対正しいという基準がないから。何に重きを置くか。原理原則はあるだろう。たとえば、Aという考えとBという考えがあり、Aという考えに重きを置いて判断するのが正しいというか一般的ということはあるだろう。しかし、原理原則というものは絶対ではない。それを無視して、冒険しなくてはならない場合がある。言い換えれば、大胆に勇気をもってギャンブルしてもよい場合がある、ということだろう。

本書は、野村克也(現楽天イーグルス監督)氏の自伝である。物語風で、楽しく読めた。なかでも、面白かったのは、野村氏が18歳のときに南海ホークスの入団テストを受けて合格し、契約するところ。

契約書には「金84,000円」と書いてあった。当時の高卒の平均初任給は月6,000円余り。しかし、契約書をよく読むと「84,000円」は年収だった。だから、月7,000円である。しかも、寮に月3,000円の合宿費を支払わなければいけない。それを支払うと、残りは4,000円。さらに、靴下、アンダーシャツは全部自前(ユニホームは1軍のお下がり)という。もちろん、契約金はない。契約金は、別名支度金といい、球団側がお願いして「どうぞ入団してください」っていう場合のもの。テスト入団の場合は、むしろ手土産もってきてもおかしくないものなのだ。なかなか厳しい現実である。

この本を読み終えたとき、楽天イーグルス監督の次期監督が直観的にわかった。それはこの本のどこにもなんにも書いてないが、間違いなく星野仙一氏だ。そうあの星野ジャパンの星野だ。私はそう確信したのであった。
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。