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はへん [読書した履歴]

思春期の心理学―こころのなかを旅してみると (ポプラ社教養文庫)こんな本を借りました。
『思春期の心理学』(岸良範著 1991年4月 ポプラ社)

ちと、必要に迫られて借りて読んでみた。

意外と勉強になった。それは…

①「発達」のイメージ、あるいは「成長」のそれとの違い
②「コンプレックス」ということばの広義の意味
③ユングが言おうとしていたことのだいたい

まず、①について。

発達の語源=英語のdevelop=古いフランス語のdes-veloper=包みをとく

包みをじょうずにとく、ときほぐす。かくれていたものがおもてにあらわれる。これを「発達」と考えると、身体や運動能力の発達は、むしろ「成長」のことを指し、人生や働くことについてなど精神の解明などは歳を重ねるごとに「発達」していく。つまり、35歳くらいを過ぎれば、「成長」は止まるが、そこから人間は「発達」する、ともいえる。

次、②について。

過去のできごとは、ある記憶を中心としてその時に感じた感情や、その時にとった態度、感じた感覚などが、たがいにからまりあって、ひとつのまとなりになってこころのなかにしまわれていることが多い、そのまとまりを心理学では、「コンプレックス」という。

だから、劣等感という意味ではない。過去のいろいろがからまりあってひとつのまとまりとなったものが「コンプレックス」なのら。

次、③について。

「コンプレックス」のなかでも、いやな思い出、忘れてしまいたい記憶にむすびついたものは、どうしてもこころの底の無意識のなかに追いやられてしまう。しかし、たとえば似たような体験をするとかすると、「コンプレックス」が刺激され、わけもわからずにその人の感情をよくも悪しくも大きくゆれ動かす。

そして、この「コンプレックス」と夢は深い関係がある。だから、夢は自分のこころを知るよい機会になる。大昔の土器の破片のような夢の破片をつっくけあわせたり、復元したりしてみて、それらがなにを意味しているかをいろいろ想像してみることで、自分の全体像が現れてくる、とユングはいっていたのではないか。

そう考えると、フラスコやビーカーの上澄みの部分だけをみて、底に沈殿している無意識というものが存在し、それが全体にとってとてつもなく大きな存在のような気がしてくる。う~む。そんなことを心理学は研究しているのか。すごいなあ。

以上。

とても読みやすく書かれた本だった。たぶん10代後半を対象に作られているからだろう。でも、すごくためになったわ。
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