本当に思っていることを言うためにどうするか、が大事 [キャリアカウンセリング]
先日、ある臨床心理士であり大学教授の講演会に参加した。
講演のあと、私は2番目に次のように質問した。
「先生が考えるキャリアカウンセラーの存在意義とその役割についてお聞かせください?」
実は、この質問はできのいい質問でない。なぜならば、演者の話したことの論点について反論するわけでもなく、説明不足を補足してほしい質問でもなかったからである。半ば、話と関係のないところからの質問を投げかけたのである。しかし、私はどうしても聞きたかった。
なぜ、このような出来事を枕にしたかというと、「働きたくても働けない」「関係作りが苦手というか苦痛」という人は、自分が本当に思ったことや感じたことを相手に言うことができない。
さっきの私の質問は、演者が聞かれて嬉しい質問ではない。演者が何を聞いて欲しいかを考えてからした質問ではまったくない。自分がどうしても聞きたいことを言っただけである。
だから、場は盛り下がった。
以下は、山田ズーニー著『17歳は2回くる おとなの小論文教室。Ⅲ』河出書房新社からの引用。
「本当に想っていること言うために、どうしようか?」
「この問いを手放して場に迎合しようとしたとき、すべてを失うだろう。話がすべっても、場を引き潮のように引かせても、私はこの問いから先だけ(つまり、この問いの前に相手のことや、こういう時はああ言おう、こう言おうを考えるのではなく)を、悩んでいこうと思う。」
今でも、質問してよかったと思う。それによって、今まで分からなかったことが2つ分かったから。
ひとつは、質問の回答。
もうひとつは、司会者の役割。なぜならば、私の質問をフォローしてくれたから。
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