日本社会は、ある起点から論理(の方向)が逆転したんだ [キャリアカウンセリング]
『乱世を生きる 市場原理は嘘かもしれない』橋本治(集英社新書)2005年11月
著者は、日本社会がある起点で「論理が逆転した」といいます。
それに対処するには、「(時間を)巻き戻し、その起点を探り、そこに戻る。(中略)その更に以前のあり方を探って“矛盾”という結果に至らない有効な可能性を拾い直す…」と答えています。
私は、「働きたくても働けない人」と多く関わっています。これを流用すると、「どこでくじけたか」「どこで弱くなったか」「どこでダメになったか」、一旦そこに戻る。そして、それ以前のあり方(=多くは親子関係、友人関係など)が「どんな状況か」「どういう心情か」「どういう行動をとったか」をクライアントと一緒にみていきながら、現在の状況に至らない有効な可能性を拾い直す作業が必要ということになるかと思います。
確かに、バブル崩壊前後の1990年以降はいろんなところで旧来の日本の論理が逆転しました。
例えば、それ以前は、「我慢」はよいこと。それ以降は、できればしない方がよいこと。
それ以前は、和を大切に。それ以降は、個人が自立(自律)して生きなければいけない。
それ以前は、寡黙さ、口答えしないことがよし。それ以降は、言語能力(口が達者)の方がいい。
などなど…。
それに乗り遅れた人あるいは乗り急ぎ過ぎた人が立ち止まってしまっているのかもしれません。
どこで乗り遅れたか、どこで乗り急いだか、それを探り、そこからもう一度生き直すという手立てを考える。それもありだと思います。しかも、それはキャリアカウンセラーの仕事でもあると思います。
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