クルンボルツ [キャリア理論]
『新版 キャリアの心理学』「第三章 ジョン・クルンボルツ」を参考にしながら…
クルンボルツ(教育学・心理学教授)のいうキャリアカウンセリングの目的は、「クライアントの“新しい学習”を促進させること」である。
ここでいう学習とは、「ある経験によって、新しい行動を獲得したり、今までとは異なる行動ができるようになること」である。行動の学習は、他人の行動を観察してそれをまねることである。これを、観察学習(モデリング)という。
モデリングの過程は、三つ。
①注意…無数の情報からどれかに注目する(モデルやその行動のうち経験や嗜好をもとに選ぶ)
②保持…記憶にとどめる(映像化→言語化→再演化)
③行動…記憶を手がかりに行動する。行動後は自分の行動をモデリング。それをもとに修正。
しかし、①注意~②保持までを習得(つまり、モデル刺激を正確に保持し、それを再生)しても、③行動しないことがよ~くある。
その原因は、四つ。
①モデル刺激の選択が適切でない
②モデル刺激の記憶が適切でない
③モデル刺激の選択と記憶が適切であっても、必要なスキルが欠如している
④行動の先行要因が充分でない
行動の先行要因は、二つ。
①結果予期…自分の行動がどのような結果をもたらすかという予測
②効力予期…自分が適切な行動をうまくできるかどうかという予測
つまり、人は行動の前に予測をする。その予測が自分にとって好ましい結果をもたらす、あるいはうまくできるときは行動を遂行する。しかし、それがそうでない(-)ときは、行動は遂行されない。あるいは遅延される。では、この(-)はどこからくるのか?
その情報源は、四つ。
①達成経験(できた×できなかった)
②代理経験(あいつもできた×あいつもできなかった)
③言語的説得(言葉による反復「あなたはできる」×「あなたはできない」)
④情動喚起(あのときできた感じ×あのときできなかった感じ)
これらひとつひとつ出来事や経験を情報として取り出す。それをもとに行動したり、しなかったりする。また、個々人はそういう出来事や経験をひとつひとつではなく総括した結論をもっている。その総括した結論が(-)だと行動を消去したり、遅延したりする。
このような場合、観察学習のプロセスにはキャリアカカウンセラーの介入が必要である。そして、そこで「新しい行動を獲得したり、行動を変化させること」を促進する。そうすることで、変化し続ける環境に適応していくことができると、クルンボルツは考えている。
従来のキャリア理論は、「意思決定の必要性」や「個人の特性と職業の特性の一致」を重視してきた。ところが、クルンボルツは「予期せぬ出来事がキャリアの機会に結びつく」という概念を提唱している。つまり、偶発的な出来事をみずからの主体性や努力によってキャリアに最大限に活用していく戦略を強調している。
では、どうすれば偶発的な出来事をみずからのキャリアに活用していくことができるのか? それは、自らの事例やいくつかの事例を紹介しているだけのようだ。そのあたりに物足りなさを感じる。しかし、それでも私はどうもクルンボルツの理論が一番好きみたい…だ。
クルンボルツ(教育学・心理学教授)のいうキャリアカウンセリングの目的は、「クライアントの“新しい学習”を促進させること」である。
ここでいう学習とは、「ある経験によって、新しい行動を獲得したり、今までとは異なる行動ができるようになること」である。行動の学習は、他人の行動を観察してそれをまねることである。これを、観察学習(モデリング)という。
モデリングの過程は、三つ。
①注意…無数の情報からどれかに注目する(モデルやその行動のうち経験や嗜好をもとに選ぶ)
②保持…記憶にとどめる(映像化→言語化→再演化)
③行動…記憶を手がかりに行動する。行動後は自分の行動をモデリング。それをもとに修正。
しかし、①注意~②保持までを習得(つまり、モデル刺激を正確に保持し、それを再生)しても、③行動しないことがよ~くある。
その原因は、四つ。
①モデル刺激の選択が適切でない
②モデル刺激の記憶が適切でない
③モデル刺激の選択と記憶が適切であっても、必要なスキルが欠如している
④行動の先行要因が充分でない
行動の先行要因は、二つ。
①結果予期…自分の行動がどのような結果をもたらすかという予測
②効力予期…自分が適切な行動をうまくできるかどうかという予測
つまり、人は行動の前に予測をする。その予測が自分にとって好ましい結果をもたらす、あるいはうまくできるときは行動を遂行する。しかし、それがそうでない(-)ときは、行動は遂行されない。あるいは遅延される。では、この(-)はどこからくるのか?
その情報源は、四つ。
①達成経験(できた×できなかった)
②代理経験(あいつもできた×あいつもできなかった)
③言語的説得(言葉による反復「あなたはできる」×「あなたはできない」)
④情動喚起(あのときできた感じ×あのときできなかった感じ)
これらひとつひとつ出来事や経験を情報として取り出す。それをもとに行動したり、しなかったりする。また、個々人はそういう出来事や経験をひとつひとつではなく総括した結論をもっている。その総括した結論が(-)だと行動を消去したり、遅延したりする。
このような場合、観察学習のプロセスにはキャリアカカウンセラーの介入が必要である。そして、そこで「新しい行動を獲得したり、行動を変化させること」を促進する。そうすることで、変化し続ける環境に適応していくことができると、クルンボルツは考えている。
従来のキャリア理論は、「意思決定の必要性」や「個人の特性と職業の特性の一致」を重視してきた。ところが、クルンボルツは「予期せぬ出来事がキャリアの機会に結びつく」という概念を提唱している。つまり、偶発的な出来事をみずからの主体性や努力によってキャリアに最大限に活用していく戦略を強調している。
では、どうすれば偶発的な出来事をみずからのキャリアに活用していくことができるのか? それは、自らの事例やいくつかの事例を紹介しているだけのようだ。そのあたりに物足りなさを感じる。しかし、それでも私はどうもクルンボルツの理論が一番好きみたい…だ。
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