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誤認 [発達障害のこと]

自閉っ子は必ず成長する』(腹巻智子著 花風社 浅見淳子参加)P10・11より

浅見氏
…発達障害に関しては、一つ大きな問題がありますね。それは当事者の方々の特性の一つに“コミュニケーション障害”があることです。だからこそ当事者から「何をしてほしいのか」発信しにくい。一見発信したように見えても、実は的をはずしていることもある。とくに自閉圏の方の支援の際には、「本人たちの自分のニーズになかなかたどりつかない」ことを計算にいれておかなくてはいけないように思うんです。

(盛田の解釈)
“コミュニケーション障害”とは、この場合ことばのやりとりの質的な不自然さのこと。たとえば、問いと答えのズレ。このズレがあるために当事者はしゃべりたくない。しゃべっても、相手に伝えられない。しかも、自分の思いや気持ちに気づきにくい。と、このような困難さを抱えている(ということか)。

腹巻氏
…(それは)言葉の概念化にも問題があるし、全体像を俯瞰して見る“メタ認知”にも問題があるため、本人たちが困難や問題だと感じることがあったとしても、状況の把握の仕方が客観的な事実と異なっているということもよくあります。

(盛田の解釈)
現存するモノゴトと視覚化されないことばを結び繋げる機能や、モノゴトを全体のなかで位置づけたり前後の流れのなかで関連づけたりする機能が働かないために、当事者がしゃべっていることと事実とまったく違うことがよくある(ということか)。

腹巻氏
話をする相手の自閉症の人のコミュニケーションの特性とスキルをよく把握した上で、表現された内容と事実を照らしたり、本人の脳機能の特性によって発生しているであろうカンチガイや事実誤認を一つひとつ明らかにして情報を整理したり、事実の客観化の手伝いをしながら聞き取っていく必要があります。支援者にはそのスキルが求められるといえます。

(盛田の感想)
「支援者にはそのスキルが求められる」とキッパリ言われると、発達障害の若者の就労支援は一般的なキャリアカウンセリングのスキルだけではとうてい太刀打ちできるわけはないであろうぞい…[ふらふら]
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