存在 [読書した履歴]
こんな本を買いました。
『ひきこもり―「対話する関係」をとり戻すために』
(田中千穂子著 1996年7月 サイエンス社)
『ひきこもりの家族関係』
(田中千穂子著 2001年1月 講談社)
いわゆる「引きこもり」を理解するには、塩倉裕氏の『引きこもる若者たち (朝日文庫)』と『引きこもり (朝日文庫)』と、田中千穂子氏のこの二冊を読めば必要条件を満たすのではないだろうか。それらはいずれも10年以上前、しかも「引きこもり」の初期に書かれたものである、にもかかわらず、である。
田中氏は、心理臨床家である。塩倉氏がジャーナリストとして目に見えない事実を伝えたとするならば、田中氏は目に見えない心理を伝えてくれた、といえる。そして、それぞれの本で“補助線→処方箋”を提示している。つまり、前者は“関係性→対話”、後者は“対話→家族(親)”。
田中氏は、心理臨床家である。これを逆からいえば、氏の実践は、というより氏が<いじる>ことができるのが親だった、ということである。したがって、その主張は“家族の再生→ひきこもりの再生”という道筋をとる。
ちなみに、そのなかで「心をつかう」ということがいわれている。これはどういうことか。それは、親が子を理解しようとする、ことである。わたしなりに言い換えれば、子をなに<である>かではなく、子の存在自体<がある(がいる)>を親が認めること、である。
退院、おめでとう。
入院中にこういう本を読んでいたのね。
明日から東京へ行きます!
by 名古屋の虎 (2009-12-07 20:48)
ありがとうございます。
歯3本(うち1本は親不知)、抜きました。
術後の経過は、おかげさまで、順調です。
あるお医者さんから「シックロール(病者の役割)」という言葉を聞きました。
病める人として、それになりきって、病気と向かい合う、ということです。
また、担当のお医者さんや看護士さん、その他いろいろな人との関係性のなかでも、しっかり病人になりきる、ということです。
入院は、そういうふうに、なりきるにはいい機会だということです。
そこで、病者になりきれることが、医療効果を高めるとのことです。
by myjob (2009-12-14 19:53)