ごえん [読書した履歴]
こんな本を買いました。
『ジョブ・クリエイション』
(玄田有史著 2004年3月 日本経済新聞社)
似ている。いや、ほとんど同じではないか。わたしの作ったNPO法人の名前と…。
わたしが真似したわけではない。なぜなら、本書が世に出たのは、2004年(平成16年)の3月。法人設立は、2003年(平成14年)の7月。だから、わたしの方が約8ヶ月ほど早い。いや、早い遅い、うんぬんかんぬん、ぬんぬんねんねん、いうことが言いたいのではない(ほんとはそうでもない)。
言いたいのは、普通の一人のおじさんが優秀な研究者と同期(同期生ではなく、ほぼ同じ時期)的に同じ問題意識をもっていたということである。ただし、それは普通のおじさんからみての驚きであり、優秀な研究者にとってはあたり前のこと、というかあまりにどうでもいいことかもしれないけど。
本書は、“雇用創出研究”である。一企業にとって、雇用と業績はどういう関係にあるのか。答えは、因果関係なし、が正解である。たとえば、それは人間の成長にとっての身長と体重と同じである。つまり、両者は密接な関連にあるけれども、どちらかが原因で、どちらかが結果で、どちらかがどちらかを説明する関係ではない。したがって、売上げや付加価値の伸びが高い企業ほど雇用創出率が高く、雇用消失率が低いから売上げや付加価値の伸びが低いというふうに、それだけで特定の経済構造を説明したことにはならない。
しかし、“因果関係なし”、言い換えればブラックボックスでいいのか?しいては、日本経済の全体の雇用変動研究がそんなんでいいのか?というのが本書の狙いどころである。著者は「はじめに」のなかで、本書の狙いをひとことで表現するならば(ちなみに、著者は学者でありながら、ひとことで表現するのがと~てもうまい、とわたしは感じている)として、「1990年代に失われていった就業機会の全体像を、自分なりにできるだけ正確に記録しておきたい」と書いている。
1990年代。今、思うとわたし自身も揺れ揺れだった。同じように、多くの企業(大企業から中小企業、自営業まで)が地震のようにその足下が揺れに揺れた時期だった。いったい、この10数年はなんだったんだろうか。気になる。
本書は、当初の狙いどおりにはいかなかったと思う。つまり、狙いだけにとどまらず、それに加え、政策提言という大きな副産物を生んだのではないだろうか。そのひとつが厚生労働省の<地域若者サポートステーション>事業ではないだろうか。あくまでも推測だが。さらに推測するに、本書はある議員の目にとまり、ある政党の政策になり、国会の議決を経て、施行されたんではないだろうか。
ちなみに、“政策提言”“政策提案”って、なんとも甘美な響きがある。男の野心をくすぐるような…。違うか?
ここでひとつアナウンス。このたびご縁がありまして、玄田先生を高岡にお呼びして講演会を行うことになりました。日時は、11月27日(日)の午後1時~、場所は高岡市ふれあい福祉センター2階研修室です。みなさん、もし、よかったら聞きに来てください。無理なら、いいですけど…。
『ジョブ・クリエイション』
(玄田有史著 2004年3月 日本経済新聞社)
似ている。いや、ほとんど同じではないか。わたしの作ったNPO法人の名前と…。
わたしが真似したわけではない。なぜなら、本書が世に出たのは、2004年(平成16年)の3月。法人設立は、2003年(平成14年)の7月。だから、わたしの方が約8ヶ月ほど早い。いや、早い遅い、うんぬんかんぬん、ぬんぬんねんねん、いうことが言いたいのではない(ほんとはそうでもない)。
言いたいのは、普通の一人のおじさんが優秀な研究者と同期(同期生ではなく、ほぼ同じ時期)的に同じ問題意識をもっていたということである。ただし、それは普通のおじさんからみての驚きであり、優秀な研究者にとってはあたり前のこと、というかあまりにどうでもいいことかもしれないけど。
本書は、“雇用創出研究”である。一企業にとって、雇用と業績はどういう関係にあるのか。答えは、因果関係なし、が正解である。たとえば、それは人間の成長にとっての身長と体重と同じである。つまり、両者は密接な関連にあるけれども、どちらかが原因で、どちらかが結果で、どちらかがどちらかを説明する関係ではない。したがって、売上げや付加価値の伸びが高い企業ほど雇用創出率が高く、雇用消失率が低いから売上げや付加価値の伸びが低いというふうに、それだけで特定の経済構造を説明したことにはならない。
しかし、“因果関係なし”、言い換えればブラックボックスでいいのか?しいては、日本経済の全体の雇用変動研究がそんなんでいいのか?というのが本書の狙いどころである。著者は「はじめに」のなかで、本書の狙いをひとことで表現するならば(ちなみに、著者は学者でありながら、ひとことで表現するのがと~てもうまい、とわたしは感じている)として、「1990年代に失われていった就業機会の全体像を、自分なりにできるだけ正確に記録しておきたい」と書いている。
1990年代。今、思うとわたし自身も揺れ揺れだった。同じように、多くの企業(大企業から中小企業、自営業まで)が地震のようにその足下が揺れに揺れた時期だった。いったい、この10数年はなんだったんだろうか。気になる。
本書は、当初の狙いどおりにはいかなかったと思う。つまり、狙いだけにとどまらず、それに加え、政策提言という大きな副産物を生んだのではないだろうか。そのひとつが厚生労働省の<地域若者サポートステーション>事業ではないだろうか。あくまでも推測だが。さらに推測するに、本書はある議員の目にとまり、ある政党の政策になり、国会の議決を経て、施行されたんではないだろうか。
ちなみに、“政策提言”“政策提案”って、なんとも甘美な響きがある。男の野心をくすぐるような…。違うか?
ここでひとつアナウンス。このたびご縁がありまして、玄田先生を高岡にお呼びして講演会を行うことになりました。日時は、11月27日(日)の午後1時~、場所は高岡市ふれあい福祉センター2階研修室です。みなさん、もし、よかったら聞きに来てください。無理なら、いいですけど…。
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