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よわさ [読書した履歴]

ドラマチック・チルドレン (新潮文庫)こんな本を借りました。『ドラマチック チルドレン』
(乃南アサ著 1999年5月 新潮文庫)

この本は、平成8年にハードカバーで出版され、その文庫版である。だから、今から15年前に出た本である。
富山市郊外にある共同生活寮「ピースフルハウスはぐれ雲」の事実をもとに書かれた本である。

代表である川又氏とは、もう5~6年前からのおつきあいになるが、いまごろ読んだ、という思いである。身近に登場人物がいると、書かれた内容もよりリアルに感じ、その並々ならぬ苦労、あるいは苦悩になんともいえない畏敬の念を感じる。

そのなかでも、残っている一節が次の部分だ。
人はよく、「良いところを伸ばしましょう」という言葉を使う。それは、確かにその通りだ。だが、伸ばしてやる前に、マイナスの要素をよく把握しておくべきだと川又は考えている。どれほど良いところがあったとしても、致命的な短所や弱点があれば、その先には挫折が待っている。落とし穴になりかねない。「そんな子だと思わなかった」と言われてしまう前に、まずはその子の欠点をよく知り、過大評価を避ける。その上で、可能性を探りたいと思うのだ。 -俺は、恵の弱点を見落としていたかな
恵は、この本の主人公。その恵は「はぐれ雲」にきて、順調に立ち直りを見せていた。高校にも進学した。しかし、突如、姿を消す。いわゆる脱走である。「はぐれ雲」では、脱走は珍しくない。むしろ、ひとつの通過儀礼である。しかし、1年近く過ごしての4ヶ月間消息不明の状態になった。その最中での一節である。

若者と関わり若者を支える側の観察力の深さの必要性を感じる部分である。

あ~、わたしははたしてそこまでクライアントを見ているだろうか。見ていないな…。
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