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やがて「労働ビックバン」が起きて雇用環境はよくなる [読書した履歴]

 『雇用改革の時代-働き方はどう変わるか』八代尚宏著(中公新書)1999年12月20日発行

 現在の内閣の方針を決める経済財政諮問会議(「創造と成長」のための7大重点改革)のなかの労働市場改革の分野で影響力がもっとも大きいとされるのが、この八代氏である。

 八代氏の基本的な考え方は、「横断的で流動的な労働市場の創設」である。言い換えれば、労働市場の規制緩和である。つまり、労働市場の自由化を志向している。

 例えば、かつての「金融ビックバン」は長らく大蔵省の保護行政の下にあった金融業界を「横断的で流動的」にした。流通業も、「大店法」の改正によって徐々に自由競争下のもとに変化を遂げている。一方労働市場はバブル崩壊後、様々な問題を抱えながらも制度上の方向性は変わっていない。

 八代氏は、従来の労働基準法を中心とする法体系も含めた労働行政にメスを入れようとしている。

 例えば、「正社員の解雇規制を緩和して、労働市場の流動化を進めるべきだ」という発言もある。

 これを聞くだけでも、「何、ゆってくれるがけ。だたさえ、いつリストラされるかおもて、ビクビクしとんがに(富山弁)」と言う反対の声が聞こえてきそうである。しかし、この本を読むと実はそうならないために「労働ビックバン」をするのだという根拠が論証(なぜそう言えるのか)されている。


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