興味と関心の違い [キャリアカウンセリング]
私のキャリアカウンセリングは傾聴を重視する。だから、指導めいたことは一切いわない。むしろ、傾聴しながらクライアントの「関心」「能力」「価値観」を一緒に整理するだけである。しかし、そのことである方向(コンセプト)が見えてくる。
ある方向が見えてくると、今後はキャリアプランニングプロセスなるものを前提にしながら、職業・仕事の特定から仮決定(選択肢をひとつに絞る)へとすすみ、一般的には面接、採用、就職という過程をへる。要するに、クライアントの納得感とつきあいながら選択肢を絞る作業を行う。
しかし、実はこの絞る作業は比較的誰でも、つまりキャリアカウンセラーと一緒でなくてもできる。すなわち、クライアント自身で、しかもクライアント一人ででもできてしまう。そうなると、選択肢を絞る作業だけするキャリアカウンセラーの存在価値は低くなる。
たとえば、キャリアカウンセラーがクライアントの「関心」を一緒に整理しようとするとき、広い職業世界のなかから、ある部分に限定する、いいかえれば選択肢を狭めていく。しかも、そのことだけに終始しまいがちになる。しかし、それでは相談があってきているはずのクライアントへのサービスは低くなるだろう。
むしろ、関心によって狭められた枠をやぶってみせるのが、サービスではないだろうか? ただし、クライアントにはだたの迷惑でしかないかもしれないが…。しかし、私が現場でよく出合うのは、選択肢を狭めるたことよって行き詰まる場面である。そういうときにこそ、もういちど最初のプロセスにもどり、関心によって狭められた枠をやぶってみせることが必要だ。
ところで、私たちは「興味」と「関心」という言葉を何気なく使っている。しかし、キャリアカウンセリングにおいては、「興味」の主語が対象であり、「関心」の主語がクライアントであることを峻別しなければいけないと思う。
すなわち、○○は私には興味がある(ない)。私は○○に関心がある(ない)。要するに、
「興味」=知りたいとか面白いとか感じること、または対象
「関心」=注意を向けている、気にとめるようにしていること、または行為
したがって、能動的な度合いからいうと「興味」<「関心」となる。しかし、感覚的な度合いからいうと「興味」>「関心」となる。さらに、職業選択の意志決定において能動的な態度と感覚的な判断が必要だ。しかし、それらに拘泥しすぎてはよくない。(じゃあ~、どーすりゃいいんじゃい!!え~いっ!)つづく。
1)主語
興味も関心も、人間が主語になりうるのではないか。私は介護の仕事に興味がある、スポーツの仕事に関心がある。
2)幅
興味よりも関心の方が広いような気がする。
++++++++++++++++
類語辞典(小学館)を引いてみた。
「興味」が対象のある一点に感情的に向けられていることがあるのに対して、「関心」は対象全体に理性的に向けられることが多い。
by TOTO (2007-06-16 14:21)
1)主語
言葉として、興味も関心も人間が主語になりうる。しかし、キャリアを考える場合、言い換えれば行動の動機づけを逆に見た場合、この二つには明確な違いがある。
つまり、興味とは外発的要因(誘因)であり、関心とは内発的要因(動因)である。すなわち、前者は魅力的な対象物の存在のことであり、後者は行動そのもののことである。たとえば、前者は与えられる報酬や社会的評価であり、後者は充実感や均衡状態の達成である。
したがって、一般的ではないがキャリアカウンセリングにおいては、興味の主語は対象、かつ述語は受動態とし、関心の主語は人間とした方が分かりやすくないだろうか?
たとえば、介護の仕事は私に興味を持たせる。私はスポーツの仕事に関心があるという使い方をすることで興味と関心を分けて考えると行動のプロセスを理解する上で有効だと考えてみた。
ちなみに、行動の強さ=誘因×動因×習慣強度(経験値)という公式が心理学にある。しかも、この誘因、動因、習慣強度のどれかひとつでもゼロならば、行動の強さもゼロであると言われている。
by myjob (2007-06-19 22:28)
はじめまして、こんにちは。
「関心」と「興味」の違いを調べたいたら、このページを発見しました。
僕のブログで紹介させていただきましたので、ご報告まで。
ありがとうございます。
http://d.hatena.ne.jp/TADAO-FACTORY/20100331
by 【すぎ】 (2010-03-31 19:36)