支援スキル [キャリアカウンセリング]
キャリアカウンセリングの支援スキル
(1)かかわり技法
・注意を払う(共感、理解、関心、尊重、支持)
・傾聴(受容、反射、要約、質問、さぐり、提案)
(2)積極技法
・情報提供、対決、自己開示
カウンセリングは、基本的に(1)かかわり技法を使い、相談者中心で行われる。しかし、(1)かかわり技法だけでは十分ではない。より望ましいカウンセリングは適切な時に適切に介入できることである。すなわち、それが(2)積極技法である。
実際的には、(1)かかわり技法のなかの共感の場面に(2)積極技法への契機がある。つまり、カウンセラーは相談者のすべてに共感できるわけではない。共感できる点と共感できない点とどちらともはっきりしない点が現実にある。
共感と同じように、理解にもわかる点とわからない点とどちらともはっきりしない点が現実にある。また、受容にも受け入れられる点と受け入れられない点とどちらともはっきりしない点が現実にある。すなわち、相談者の言動のなかに受け入れにくい点や賛成できかねる点が必ず出てくる。
その場合どうするか? 例えば、受け入れにくい点をただちにとりあげる。また、とりあげるにしても相談者に確認してからとりあげる。あるいは事前に承諾を得る。逆に、「その点については受け入れかねます」ととりあげない。あるいは、「もう少し聞いてもいいですか?」と検討に入る。これ以外にもそのままにしておいて様子をみる。などなど、いろいろな対応がある。
カウンセリングの初心者は、「受容が大事」と教えられていることをそのまま鵜呑みにしてしまいがちである。そのため、真の受容に至っていないにもかかわらず受容することが多い。つまり、受容できないものを無理に受容していることが多い。
一方、真の受容は自然に受容できるものだけを受容することである。したがって、真の受容は受け入れにくい点を受け入れないことが肝心だ。つまり、受け入れられない点に注目しながら、それと対決することが必要である。
この「受け入れられない-対決」のプロセスが積極技法である。これは、カウンセリングの基本、つまり「受容を心がける」ということと矛盾するようにみえる。しかし、相談者の役に立つカウンセリングを展開していくことから鑑みれば矛盾するものではなく、むしろ大切なことである。
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