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サビカス [キャリア理論]

『新版 キャリアの心理学』「第九章 マーク・サビカス」を参考にしながら…

サビカスは、スーパーが1994年に逝去した後、その理論を引き継いだキャリアカウンセリングの理論家かつ実践家である。ちなみにだが、ホランドの指導も受けている。現在、サビカスの理論はアメリカのみならずヨーロッパの各国においても、キャリアカウンセリングの中心的理論として受け入れられつつあるらしい。

まず、サビカスはキャリアを「意味を運ぶもの、あるいはそのプロセス。」と考える。
①過去や現在の経験をふりかえって捉え直す
②その経験に新たな意味を与えて主観的に事実を再構成する
③それを将来の展望へ繋げる
具体的には、クライアントが自らのキャリア(ストーリー)を語ることを通して、「物語的真実」(=意味)を作り出すことである。

サビカスの理論の主要概念は三つ。
①個性(What=何をしたいか)興味・価値観・能力の不一致は変化を促し一致は行動の安定を促す
  ※興味は変化する。だから安定した特性でない。したがって、他より優位とみなすべきでない
②適応(How=どういうふうにしたいか)機動性を常態としたレディネス(準備)及びリソース(手段)
③動機(Why=なぜその行動をとるのか)意味や方向性を与える解釈

そのなかの②は、サビカスのキイ概念である。それを「キャリアアダプタビリティ」とよぶ。舌を噛みそうな言葉だが、サビカスは「アダプタビリティ」に内在する「みずから変わることによって適切な状況をつくる」「目的をもって変化する」「個人と環境の相互作用により変わる」というニュアンスに確かな手応えを感じている。

「キャリアアダプタビリティ」は…
①関心            ①計画的             ①計画能力
②統制   の四つが   ②決断的   という態度で  ②意思決定能力  を駆使すること
③好奇心          ③探究的              ③探索能力     
④自信            ④効力的             ④問題解決能力

すなわち、態度や能力を予め向上させておくことが求められている、という。特に④自信は、試みることで得られる成果の予期のことである。職業選択には、どうしても前向きさが必要である。なぜなら、後ろ向きの人はいくら能力があっても採用されないが、能力のない人は前向きであれば採用され得る。④自信は、①②③を鍛えることでもたらすことが可能である。余談だが、キャリア教育はこの四つを鍛えるものである。

まとめると、“自分の経験を語れる”(ナラティブに似ている?)ことと“備えを常に”(ボーイスカウトの合い言葉)ということか[猫]
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