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カオス [キャリア理論]

『新版 キャリアの心理学』「第十章 新しい潮流」を参考にしながら…

「生きている」システムは要素に分解して理解することができない。なぜならば、同じ要素でも全体の文脈のなかでその振る舞いが変化し、それによってまた全体が変化するという循環的な仕組みになっているから。

しかし、不規則な現象のなかにも無数の規則に従っているものがある。そのでたらめさと独特なパターンから秩序を導き出そうというのがカオス理論である。

カオスには特有のモデルある。アトラクタという。それは、何かを引きつけたり吸い寄せたりすることを意味する。また、それは4つある。
①点アトラクタ=一点に収束する動き
②周期アトラクタ=連続的に繰り返す動き
③トーラスアトラクタ=2つ以上の周期運動が合成された場合の動き
④ストレンジアトラクタ=トーラスアトラクタが崩れて奇妙な形に吸い寄せられる動き
○すべての力学上の動きは、トーラスアトラクタに落ち着く。カオスは、ストレンジアトラクタのことであり誰にもその本質はわからない。

この理論を参考にすれば、キャリアカウンセリングは人や環境より、むしろひとつひとつの出来事を重視する。つまり、ミクロレベルのストレンジアトラクタからマクロレベルのトーラスアトラクタを探る。

また、カオス理論では、入力変数のわずかな変化が、出力に劇的な変化をもたらし得るといわれる。最初のわずかな違いがまったく違う結論を導き出す。したがって、日々の生活のなかのでのわずかな違いが、私たちの将来を左右する。

ささやな行動の変化こそが、全体の文脈にさまざまな影響を与え、逆に自らの大きな変化となって帰ってくる。実は、キャリアとは日々の生活のわずかな違いであって、それをおろそかにせず過ごすことがキャリア開発であり、将来を切り開くことではないだろうか。
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