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躓き [発達障害のこと]

私は、広汎性発達障害の人の成長の過程には3つハードルがあると考えている。
①家族
②友達
③就職

そして、この3つに通底するのが人との関わり方である。もともと、発達障害の人は自閉症とも関連しているので、自分から人とのかかわりを強く求めるタイプではない。そのため、経験不足によるかかわりのスキルの未学習、誤学習があると考えられる。つまり、その場に応じて必要なスキルを身につけることことがもともと無理なうえに、その機会も少なくなる二重構造を抱えている。

昨今、その補完のために、それを一つ一つ言葉で丁寧に説明して身につけさせる学習機会が増えつつある。その一例が、ソーシャルストーリーである。これは、実際小学校の特別支援教育などで行われている。簡単にいえば絵や言葉など視覚的な情報を手がかりにして、「こういうときはこうしようね」という常識や社交性を理解させ身につけさせる方法だ。

一方、学校は友達関係を構築する絶好の場所である。①=家族から③=就職へ移行するには、そのあいだに②=友達関係というバイパスが介在しないとどうしても難しい。ところが、学校の第一義は、知識を得て、理解力を鍛えることである。本来、社会に出て必要な常識や社交性を身につけるのは第二義的であり、それはもっぱら友達関係であり、しかも主体性に委ねられている。いいかえれば、放課後や休み時間をより楽しく過ごせることが社会で必要なスキルを高める。逆をいえば、ここで得られるはずのスキルが低いと次の就職が難しくなる。ここで躓く人は少なくない。

最終ゴールを、ひとつの場所である程度長く働くできることとするならば、家族の理解や協力、次に友達との交わりとその関係から常識や社交性を学びことが前提である。したがって、当事者を見守る家族や支援者は友達関係を作る芽を摘まないよう、少しずつその芽が育つよう環境を整えることが仕事になる。
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