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飯場 [就労支援]

昨日につづき、『反貧困』(湯浅誠著 2008年4月発行)からの引用…

<P149>
「日雇い労働者を集め、『飯場(はんば)』と呼ばれる寄宿舎に寝泊りさせ、そこから工事現場に派遣して、建設現場の肉体作業をさせる。(中略)わずかな賃金の中から寮費・食費を差し引くところ、あえて待機期間を作って賃金と寮費・食費が相殺されるように仕組むところ(たとえば賃金8千円で寮費・食費を3千円とり、3日に1日しか働かせなければ、15日の間に5日働いても…8千円×5日=4万円。3千円×15日=4万5千円。4万円ー4万5千円=△5千円で…会社に5千円の借金を背負う)、さらには周囲に売店などがないのをいいことに、タバコやお酒を割高の価格で売りつけられるところなどがあった。」(引用おわり)

これを“飯場システム”いい、古くからあるという。特に、借金を背負うと危険だ。どのくらいの金利なのかわからないが、良いようにされると借金が雪だるま式に一気に増える、恐ろしいシステムだ。

実は、私は25歳ころ日雇い労働をしていた。東京・荻窪に4畳半(共同トイレ、そば屋の2階)のアパートを借りていた。離職中、水道橋だったか、飯田橋かの日雇い労働を仲介する場所に通った。そこは、朝早く行かないと、いい仕事がなくなってしまう。だから、中央線の始発(午前5時前後だったかなぁ)に乗る。着くと、狭い部屋はすでに人でギュウギュウ詰め状態。正面で仕事のセリが始まり、仲介人がその日の仕事内容と日給を叫ぶ。良いと思ったら、すぐ手を挙げる。決まれば3~5人くらいのグループになり、簡単な説明をうけ、現場へ向かう。現場では、担当者から指示を受け仕事をする。終われば、仕事先で現金の入りの封筒を受けとり、現地解散というシステムだった。

それを半年くらい続けた。このシステムは、同じ日雇い労働でも、“飯場システム”よりはおおらかだ。また、今思えば、経済はバブル期で好況だった。だからだろうか、そこに通うひとたちもいつか日雇い労働から這い上がれるだろうという楽観的な見通しがあった。世論も、今より日雇い労働というものに寛容だった。つまり、日雇い労働=不安定就労=悪、という短絡的な考え方はなかったように思う。

今思うと、懐かしい。しかし、そこから、私は<私の働き方>を模索し始めたんだなぁ…と思う[猫]
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