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空白 [読書した履歴]

それでも脳はたくらむ (中公新書ラクレ)『それでも脳はたくらむ』 (茂木健一郎著 2007年12月 中公新書ラクレ)

『読売ウィークリー』の連載をまとめたものだ。最初半分は、エッセイ風でつまらなかった。でも、後半は脳科学者の知識が散見できてとても面白かった。

茂木氏は1962年生まれ。私と同じ。本著には幼年期の回想も綴られている。育った時代背景がまったく同じ。それもあって読んでいて近さ親しさを感じた。あと、養老孟司氏を師として仰いでいるとのこと。

そもそもなんでこの本を読みたいと思ったかというと、流行っているから…ではない。時代のスピードに自分の脳がついていけなくなって機能不全を起こしているような気がしたからだ。だから、茂木本はいつか読みたかった。

そのなかからの引用…
人間の脳は、空白がなければ創造的にはなれない。(略)戦後、日本人には創造性がないと言われてきたことの原因は、「1日でも履歴書に穴が開くとマズイ」といった、個人と組織の関係についてのあまりにも堅苦しい社会の通念にあったのではないか。(P127)
え~、私はキャリアカウンセラーをしておりますので、よく「履歴書の空白の部分をどう説明すればいいのか…」という相談を受けます。本音で答えれば、「いいじゃない、空白があっても」である。

確かに、日本社会では“空白はあってはならない”が常識である。しかも、面接の場面で、そこをつっこまれる可能性は高い。

しかしイギリスでは違う。イギリスには「ギャップイヤー」(空白の年)という慣習があるそうだ。例えば、高校を卒業し大学への入学が決まった後、実際の入学まで約1年間、世界を自由に放浪するという制度がある。また、社会人でもキャリアの節目に「キャップイヤー」を取るという傾向があるという。

そこが日本人の発想と違う。ま、社会(保障)制度などの違いはあるにせよ、日本人は“特に理由のない”空白期間があるのはマズイと思い込んでいる。

ちなみに、空白期間があっても、面接で採用になるひとは採用になる。つまり、履歴書をみて判断しているわけではない。面接官は目の前にいる本人をみて判断しているのである。したがって、「履歴書の空白の部分をどう説明すればいいのか…」ということを考えている時間があったら、“貴社で働きたい”という熱意を見せる努力をした方が数倍良い。
空白のない人生なんて、味気ない。(P127)

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