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たしゃ [読書した履歴]

『ケアの本質』(ミルトン・メイヤロフ著)を読む。

深い。

仏教書のようだ。

「結局のところ、この種の安定性(世界に根をおろしたようなそれ-私)は、それを獲得しようと努力することさえ、忘れ、そのかわりに、私たちを必要としている他者に自分自身を深くかかわらせることによって、はじめてやってくるのだといえよう。」
(P148 Ⅳケアによって規定される生の重要な特徴 基本的確実性 より)

危険をはらんだこの世界で生きるため、働くためには、傷つくこと、かき乱されること、平静を保てなくなること、思い込みを捨てること…、などを受容できる状態でなければいけない。それを安定性という。

しかし、安定性は努力して獲得できる類のものではない。むしろ、安定性を求め、努力することは自分自身を苦しめる。なぜなら、自らを閉ざし、現実逃避することになるから。それでは、不安定さが増すばかりなり。

ならば、どうする。師(ミルトン氏)曰く、私を必要としている他者に自分自身を深くかかわらせることだ、と。つまり、自分のためではなく、他者のために何かをすることだ、と。

なるほど、そうすれば獲得できるのかぁ。否、獲得ではない。やってくるのだ。向こうからやってくるのだ。すなわち、安定性は自ら手を伸ばしてつかむものにあらず。やることをやって、待って、頂くものなり、という感じなのじゃ。

ちなみに、もうすぐサッカーW杯(一次リーグ第三戦)だが、日本代表の勝利もゲームに専心することで女神から与えられるものなのだろう。

これでいいのだ。英語では、good enough。
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