きぼう [読書した履歴]
こんな本を買いました。
『コーチング・ワークショップ』
(高木善之著 2009年4月 PHP研究所)
まえがきに、「コーチング」に関心のある方、「コーチング」のスキルを習得したい方は、第4章からお読み下さい、と書いてあったのでそうした。4章以降読んで、1~3章までは読んでいない。だから、本の半分しか読んでいない。たぶん、前半は読まないと思う。
「コーチング」って、よく聞く。でも、なにかよく知らない。少しでもかじっておければ、しかも、この著者の「コーチング」ならいいんじゃないか、と思って読んだ。
一言でいえば、「どうしたらいいと思いますか」と聞くことである。二言でいえば、「(あなたなら」どう思う」と聞く前に、事実と事例を話す、ことである。
う~ん。
これは、キャリアカウンセリングでは、かかわり技法の質問のことではないのか。しかし、この技法は「多用するとクライアントが訊問されているように感じたり、攻撃されているように感じたりすることになります。また、キャリアカウンセラー自身が関心を持っている話題にクライアントを誘導してしまうことが起こりやすいという側面をもっているため、十分な注意が必要です」とテキストに書いてある。
ということは、キャリアカウンセリングではコーチングはあまり適切ではない、ということであろうか。わたしは、そうでもないような気がする。やはり、ひとつの技法としてときと場合によっては、たとえキャリアカウンセリングであっても有効なのだろう。要は使い方次第だろう。
また、実はコーチング=(かかわり技法としての)質問ではないのかもしれない。
ということで、もう少し、本書のコーチングを見ていくことにする。その特徴は…
①事実はいう。しかし、「こうしないといけない」「~ねばならない」とはいわない。
②いい・わるい、という評価をしない
これは、異議なし。
①伝える=ティーチング
②伝わる=コーチング
これも、異議なし。キャリアカウンセリングでティーチングをしてしまうと説教になる。説教は禁じ手である。
コーチングの態度。ロジャーズならば、
①肯定的受容
②共感的理解
③自己一致
著者の場合は、
①よく観る
②よく聴く
③受け止める
これは、キャリアカウンセリングと違う。つまり、教示、あるいは表現としては同じようでも、内容が違う。著者は、コーチングで一番大切なのは、相手に心からエールを送ること。具体的には、「相手が困難を乗り越えていく」というイメージをすること、と書いている。キャリアカウンセリングの理論ではあまりそういうことはいってない。
また、一番違うのは、③受け止める、である。受け入れるのではなく、受け止めるのである。英語でいうと、「agree」、「admit」ではなく、「receive」である。たとえば、メールをもらう、それを読む。つまり、受信した。受信しただけは、受け止める。メールに、同意した、さらにその旨を返信したら、受け入れる、である。
自分と意見が違っていても、反対しないで、反論しないで、受ける。そして、そこで止める。これが③受け止めるである。しかし、ロジャーズはどちらかというと、受け入れる方のように捉えられているような気がする。止めずに入れてしまうことをよし、傾聴はそう、と捉えられているような気がする。しかし、実際は、これはロジャーズの③自己一致と矛盾する。したがって、受け止めるでいいような気がする。
あと、コーチングもカウンセリングも、クライアントの気づき、発見を促すことは同じである。しかし、著者はそれをわかりやすく説明している。
発見。これは、英語で「discover」。直訳すると、「カバーをはずす」。クライアントは、答えを隠しているカバー、たとえば、思い込みや善悪などの価値観に縛られている。それを、一枚一枚、たまねぎの皮をむくようにはずしていく。それが、気づきや発見である。
それを自分でする。なぜならば、カバーをかけるのもはずすのも本人だからである。だから、クライアントは自分と対話をしていく。それがうまくできる人とできない人がいる。できない人には、他者の力を借りる。うまくできるときと、うまくできないときがある、できないときには、他者の力を借りる。その技法のひとつがコーチングである。
そういう自分との対話を繰り返し、カバーをはずし、自分のなかの現実を受け止めれば、また歩き始められる。
ただ、「どうしたらいいと思いますか」だけですむケースはむしろ少ない。著者は、それに加え、視点を変える、ということをわかりやすく説明している。それを「カメラ」という。
①1カメ…自分から見た視点
②2カメ…相手から見た視点
③3カメ…客観的な視点
④4カメ…過去から現在を眺める視点
⑤5カメ…未来から現在を見る視点
つまり、クライアントは基本的に1カメ。カウンセラーは、2カメ。カウンセラーは「私はね」とはめったにいわない。しかし、相手の1カメだけでは堂々巡り…。その場合、3カメを使う。「他の人なら、どう思うかな?」と投げかける。自分を上から俯瞰するような視点で眺めてみる。自分をひとごとのようなスタンスで見てみる。そうすると、新たな気づきが生まれるという。
さらには、「以前はどうだったの…」という4カメ。「このままだと…」という5カメと。たまに、5カメが強すぎて焦ってしまっているケースもあるが、そういう複眼的な捉え方を使う、らしいです。
まとめますと、「受け入れる」ではなく「受け止める」。これは、カウンセラーの態度として…
クライアントとしては、「1カメ」から「3カメ」。「3カメ」から「5カメ」。そうする希望が見えてくる、
のかもしれない。
『コーチング・ワークショップ』
(高木善之著 2009年4月 PHP研究所)
まえがきに、「コーチング」に関心のある方、「コーチング」のスキルを習得したい方は、第4章からお読み下さい、と書いてあったのでそうした。4章以降読んで、1~3章までは読んでいない。だから、本の半分しか読んでいない。たぶん、前半は読まないと思う。
「コーチング」って、よく聞く。でも、なにかよく知らない。少しでもかじっておければ、しかも、この著者の「コーチング」ならいいんじゃないか、と思って読んだ。
一言でいえば、「どうしたらいいと思いますか」と聞くことである。二言でいえば、「(あなたなら」どう思う」と聞く前に、事実と事例を話す、ことである。
う~ん。
これは、キャリアカウンセリングでは、かかわり技法の質問のことではないのか。しかし、この技法は「多用するとクライアントが訊問されているように感じたり、攻撃されているように感じたりすることになります。また、キャリアカウンセラー自身が関心を持っている話題にクライアントを誘導してしまうことが起こりやすいという側面をもっているため、十分な注意が必要です」とテキストに書いてある。
ということは、キャリアカウンセリングではコーチングはあまり適切ではない、ということであろうか。わたしは、そうでもないような気がする。やはり、ひとつの技法としてときと場合によっては、たとえキャリアカウンセリングであっても有効なのだろう。要は使い方次第だろう。
また、実はコーチング=(かかわり技法としての)質問ではないのかもしれない。
ということで、もう少し、本書のコーチングを見ていくことにする。その特徴は…
①事実はいう。しかし、「こうしないといけない」「~ねばならない」とはいわない。
②いい・わるい、という評価をしない
これは、異議なし。
①伝える=ティーチング
②伝わる=コーチング
これも、異議なし。キャリアカウンセリングでティーチングをしてしまうと説教になる。説教は禁じ手である。
コーチングの態度。ロジャーズならば、
①肯定的受容
②共感的理解
③自己一致
著者の場合は、
①よく観る
②よく聴く
③受け止める
これは、キャリアカウンセリングと違う。つまり、教示、あるいは表現としては同じようでも、内容が違う。著者は、コーチングで一番大切なのは、相手に心からエールを送ること。具体的には、「相手が困難を乗り越えていく」というイメージをすること、と書いている。キャリアカウンセリングの理論ではあまりそういうことはいってない。
また、一番違うのは、③受け止める、である。受け入れるのではなく、受け止めるのである。英語でいうと、「agree」、「admit」ではなく、「receive」である。たとえば、メールをもらう、それを読む。つまり、受信した。受信しただけは、受け止める。メールに、同意した、さらにその旨を返信したら、受け入れる、である。
自分と意見が違っていても、反対しないで、反論しないで、受ける。そして、そこで止める。これが③受け止めるである。しかし、ロジャーズはどちらかというと、受け入れる方のように捉えられているような気がする。止めずに入れてしまうことをよし、傾聴はそう、と捉えられているような気がする。しかし、実際は、これはロジャーズの③自己一致と矛盾する。したがって、受け止めるでいいような気がする。
あと、コーチングもカウンセリングも、クライアントの気づき、発見を促すことは同じである。しかし、著者はそれをわかりやすく説明している。
発見。これは、英語で「discover」。直訳すると、「カバーをはずす」。クライアントは、答えを隠しているカバー、たとえば、思い込みや善悪などの価値観に縛られている。それを、一枚一枚、たまねぎの皮をむくようにはずしていく。それが、気づきや発見である。
それを自分でする。なぜならば、カバーをかけるのもはずすのも本人だからである。だから、クライアントは自分と対話をしていく。それがうまくできる人とできない人がいる。できない人には、他者の力を借りる。うまくできるときと、うまくできないときがある、できないときには、他者の力を借りる。その技法のひとつがコーチングである。
そういう自分との対話を繰り返し、カバーをはずし、自分のなかの現実を受け止めれば、また歩き始められる。
ただ、「どうしたらいいと思いますか」だけですむケースはむしろ少ない。著者は、それに加え、視点を変える、ということをわかりやすく説明している。それを「カメラ」という。
①1カメ…自分から見た視点
②2カメ…相手から見た視点
③3カメ…客観的な視点
④4カメ…過去から現在を眺める視点
⑤5カメ…未来から現在を見る視点
つまり、クライアントは基本的に1カメ。カウンセラーは、2カメ。カウンセラーは「私はね」とはめったにいわない。しかし、相手の1カメだけでは堂々巡り…。その場合、3カメを使う。「他の人なら、どう思うかな?」と投げかける。自分を上から俯瞰するような視点で眺めてみる。自分をひとごとのようなスタンスで見てみる。そうすると、新たな気づきが生まれるという。
さらには、「以前はどうだったの…」という4カメ。「このままだと…」という5カメと。たまに、5カメが強すぎて焦ってしまっているケースもあるが、そういう複眼的な捉え方を使う、らしいです。
まとめますと、「受け入れる」ではなく「受け止める」。これは、カウンセラーの態度として…
クライアントとしては、「1カメ」から「3カメ」。「3カメ」から「5カメ」。そうする希望が見えてくる、
のかもしれない。
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