SSブログ
カウンセリング理論 ブログトップ
- | 次の30件

父母の期待とはちがう人生コースを歩むのはつらい [カウンセリング理論]

  『カウンセリングQ&A①』国分康孝、国分久子共著(誠心書房)より

 「父母を愛しながらも父母の期待とはちがう人生コースを歩むのはつらいことです。(中略)しかしこれを甘受するしかないと思うのです。それゆえつらいけれどもそういう人生の事実に対決する勇気をもつことです。」

 思春期(次第に大人の体に変わっていく年ごろ)の精神的な成長時期には、「対決する勇気」が必要なのではないかとこの仕事をしていて感じることがあります。

 「親の愛情が十分あればこどもは自然と自立する」という意見があります。しかし、こどもが自立するには、こども自身が痛みや別れ、つらさと対決していくことがないとかなり難しいと思います。

 カウンセラーとしてできることは、その痛みを一緒に味わってあげることくらいだけだと思います。


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

集団になじめない人のタイプの類型 [カウンセリング理論]

『カウンセリングQ&A①』国分康孝、国分久子共著(誠心書房)より

集団やグループになじめない人の原因に関して3つの仮説が紹介されています。
(以下、①原因 ②傾向 ③対策 を表す)

●親定着
①親又は親がわりから心的分離ができていない
②例えば、会合や旅行をいやがるなど
③親又は親がわりが序々に座をはずす→グループワーク又は合宿

●ナーシシズム(わがまま)
①おとな心(現実)よりこども心(快楽)が強い
②同調行動をストレスや不快体験だと受け取る
③不快の原因、不快な思いをしない方法に気づく→ギブアンドテイクの練習

●能力不足
①役割遂行能力が乏しい、又は役割がない
②自分の苦手なことを敬遠する
③得意とするところで出番や居場所をつくる


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

自分にとって得な感情をもつためのテクニック [カウンセリング理論]

 カウンセリング心理学の國分康孝氏は、「せっかくならば、自分の考えを修正してでも、自分にとって得な感情をもつ方がよい」と教えている。
 では、自分の考えを修正して得な感情をもつにはどうしたらいいのか? まず、自分のある考えを特定する。次に、特定した考えの前提をさぐる。そして、その前提を検証する。検証では、その前提となっている考えが、論理的か、事実(本当)か、で見極める。その結果をもとに適切な考えに修正する。
 例えば、自分に行き過ぎたある考えがあるとする。その考えの前提を検証してみると論理的でもなく、現実的でもない。だから、その部分を批判して、適切な考えに修正する。それによって、感情が変わる。感情が変わったことによって阻害されていた行動が変わる、というわけである。
 國分氏は、論理的か、現実的かの他にもうひとつ大切な検証の際の基準があるとしている。それは、事実に基づかず論理も乏しいが、人の感情を落ち着かせてくれたり、ほぐしてくれたりするかどうかという基準である。結果的に感情を修正してくれればそれでOKじゃないか。自分にとって役に立ち、得であればその考えを活かせばいい。それは、いわゆる冗談やユーモアである。冗談やユーモアは感情や行動を適切な方向に変えることができる、というわけである。


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

感情をコントロールして現実に対処する方法 [カウンセリング理論]

 職場における対人関係スキルを高めることが、働くうえで重要になってきているようだ。それをより科学的に実証しつつ、実践的に有効な方法として「EQ」という概念が認知されつつある。その勉強会に参加した。そのときのメモである。
 「EQ」の「E」はエモーション。日本語では感情である。「EQ」は、自分の感情の特性を知り、その感情を開発していくスキルのことであろうと考える。
 ちなみに、心理学では、感情(feeling)=情動(emotion:①原因がはっきりしている②生理的反応を伴う③短い時間で消失する)+気分(mood)と考えられているらしい。
 まず、自分の感情を理解することから始める。つまり、感情の状態を把握する。そのためにアセスメントを行い、感情を定量化し、視覚化する。その方法が「EQ」の卓越性である。しかし、日本の学会では実証データが十分ではないということで、まだ認知されていない。妥当性、信頼性を得るにはもう少し時間が必要なようだ。
 次に、アセスメントの結果の数字を指標に、自分の強い能力と弱い能力を抽出し、一度自分の感情をコントロールする能力の全体像をざっと把握する。その上で、職務上など現実的な必要性に応じて開発したい能力を特定し、その能力を開発するための行動計画を立てる。あとは実行、評価、いわゆるPCDAサイクルを行なう。
 私の場合は、「私的自己意識」と「感情的被影響性」という項目の数字が低かった。だから、それを高くしたいと思った。「私的自己意識」が低いとは、自分自身の感情に関心が向いていないということである。自分ではよくわからないが、もしそうだとしたら、もう少し自分の感情を知ることが大切かなと思う。「感情的被影響性」が低いとは、他者からの感情的な影響を受け易く、自分と他者の感情の間に明確な線引きを引いていないということである。これは自覚している。また、カウンセラーとして必要な素養だ。
 つまり、「何をどう変える」という計画を立てるというのが、この「EQ」の肝であり、その根拠となるのがアセスメントを中心とした分析方法と実証データということになるだろう。


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

仕事を就くのに必要な動機付けと行動の強さの関係 [カウンセリング理論]

 動機付けというものには、内発的動機付け(動因)と外発的動機付け(誘因)あり、かつそれは二つ同時に存在するものらしい。なるほど、仕事に就く場合の動機付けにも、動因と誘因があり、かつそれは同時に存在しているように思えることがある。そうすると、キャリアカウンセリングはその二つをひとつひとつ丁寧に見ていく作業とも言えるかもしれない。
 仕事に就く場合の内発的動機付け(動因)は、仕事の行動自体に見出される面白さとか、充実感のことである。嫌いなことより好きなこと、自分がやっていて不快なことより気持ちいいことをしているほうがいいし、それにこしたことはない。つまり、少しでも自分の○○したいという欲求を具体化したものでありたいというものである。その一方、外発的動機づけ(誘因)は、その仕事をすることで与えられるであろう報酬や承認などのことだ。いわば、期待される成果、つまり目標の存在である。
 仕事に就くのをややこしくしているのは、この二つが同時に存在しているためである。どちらか一方だけでは仕事に就くことはできないし、その仕事を継続することもできないだろう。さらに、この二つの他に、もう一つ大事な要因がある。それは、習慣強度とよばれるものである。習慣強度とは、目標達成までの経験値をいう。
 実はこの三つが、仕事に就くあるいは仕事を継続するための行動の強さを形成している。つまり、その強さは、動因×誘因×習慣強度であらわすことができる。そして、動因、誘因、習慣強度のどれか一つでも0ならば行動の強さは0となる。


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

集団に属することによる影響 [カウンセリング理論]

 仕事に就くということは、ほとんどの場合集団に所属することと同じである。集団に所属すると、いくつかの傾向が生じる。これは心理学的に実証されている。
 没個性化。これは集団に所属すると、個人としてでなく集団として考えることが多くなり、個性の発揮という性格の行動が少なくなっていくことを意味している。したがって、特に若い人で「個性」を大事したいと思って就職する人は、就職すれば確実に没個性化すると思っておいた方が現実的である。ちなみに、それはキャリア発達という視点で言えば悪いことではない。
 社会的手抜き。集団には他者が存在する。他者存在が動機付け(やる気)を低下させる。これは、他者の存在による責任の分散、貢献度の不明瞭さが理由である。そして、動機付けの低下は努力量の低下の可能性をもたらす。
 社会的促進。集団に属すれば、まず他者存在よって意識水準が上昇する。そして、普段より行動が活性化する。このとき、その行動がある程度慣れている行動ならば課題の遂行がなされ、その遂行よってさらに行動が促進される。これを「社会的促進」という。この場合、周りから見られているという観客効果と同じ課題にとりくんでいる共行動効果がさらにこれを促進させる。
 しかし、慣れていない、習熟度が低い行動の場合は課題遂行が困難である。その困難が遂行行動をますます抑制してしまう。つまり、「社会的抑制」という状態が生じる。つまり、普段できない行動がますますできなくなる。頑張っているのにうまくいかないということが生じる。
 「社会的抑制」状態になったらどうするか。私は、先ほどの「社会的手抜き」をうまく組み合わせることをお勧めしたい。つまり、努力量を低下させてみて適正な努力量を相対的に測ってみるのである。「社会的手抜き」を悪いことだと考える人がいるけれども、これは良いとか悪いとかということではなくて、しかたがなく、起こるべきして起こっていることである。しかし、真面目な人はそう考えられない。つまり、「社会的手抜き=不真面目」という間違った考え方を修正することができないのである。


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

安定した人間関係とは何か [カウンセリング理論]

 不安定な人間関係というものは、なんとなく落ち着かなくて、嫌な感じがするものです。それは、どういう状態のときなのでしょうか?それを分析する手立てとして「認知的均衡理論」があります。
 「認知的均衡理論」ではまず自分、他者、第三者の関係をそれぞれ好意的関係か否かをみます。
 例えば、クライアント、母親、父親の場合‥
  ・クライアントと母親は好意的(+)
  ・クライアントと父親は非好意的(-)
  ・母親と父親は非好意的関係(-)とします。
 次に、それぞれの(+)(-)を掛けます。この場合、(+)×(-)×(-)=(+)となり、(+)は均衡状態です。つまり安定した関係です。クライアントは、この三者関係のなかで安定しています。ちなみに、父親は少し可哀相なことになっていますが‥。
 このように、それぞれの(+)(-)を掛けて、(+)ならば安定。(-)ならば不安定です。なので、不安定の場合は認知的均衡を図る必要があるのなのかなぁと考えたりすることがあります。


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

面接のときなぜスーツを着るのか [カウンセリング理論]

 キャリアカウンセリングの最後の方のプロセスになると、「面接」という場面がくる。このとき、カウンセラーはクライアントと同じように気持ちが高揚してくるし、うれしさも感じる。期待が半分、不安が半分なのだが、ここまでくるとクライアントの職業レディネス(意欲)はある程度高まっているし、自己PRや志望動機もカウンセリングのなかである程度は準備されている。だから、面接はこれまでの努力を発表するようなものである。
 あとは身なりである。面接官に採用してもらえるようなテクニックが必要になるが、そんなとき私は心理学でいう「対人魅力を規定する他者要因」を思い出す。それは三つある。
 1)身体的な優位性‥顔、スタイル→人間やっぱり形の美しいものに魅かれるらしい。
 2)社会的望ましさ‥いわゆる社会人らしさ→孫にも衣装で、背広を着るとみんな大人っぽくなる。
 3)好意的な感情‥クライアントがその会社や面接官にいい印象をもっている→好意をもつと好意             をもたれる法則。
 この三つを頭においてクライアントに合わせてコメントしている。心理学には絶対とか100%はないにせよ、70%や80%そうだとしたらそうした方がいい。私は、こんなところで心理学を役立てていると思っている。


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

心理学をカウンセリングに役立てる [カウンセリング理論]

 キャリアカウンセリングをしていると、クライアントの置かれている状況や心情がひとりひとり違うことを感じます。だから、クライアントをいくつかのタイプに分類したり、一般化したりすることがなかなかできません。しかし、ときどき共通点を感じることがあります。例えば、AさんとBさんの考えの共通点やCさんの1ヶ月前と今の感じ方の共通点という感じです。
 そんなとき、その共通点を体系的かつ論理的に認識できればカウンセリングのサービスの質は高くなると思います。なぜならば、クライアントの納得感を得やすくなりますし、納得感を早く得られれば効率がよくなるからです。
 そういう意味で、心理学はキャリアカウンセリングに役に立つ有益な公式を提供してくれます。心理学は、客観的かつ科学的に人間を理解するための概念や理論ではないかと思います。そういうものをキャリアカウンセリングにどんどん取り入れていきたいと思っています。この「カウンセリング心理学」のカテゴリーでは心理学に関する事柄を書き連ねていきたいと思っています。


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事
- | 次の30件 カウンセリング理論 ブログトップ